ドローンの飛行機持ち込みについて
ドローン空撮のお仕事で海外や国内を頻繁に飛行機で移動される方にとって、ドローン(バッテリー)の飛行機持ち込みは非常に大きな問題です。
結論からいえば、重量に関係なく、たとえ200g以下のホビードローンであろうが、1kg以上の商業用ドローンであろうとドローンを機内に持ち込むことは可能です。 利用する「航空会社」が定めたルールに従っていれば大丈夫です。
飛行機に持ち込む場合は、飛行機の中まで本人と一緒に持ち込むことができる「機内持ち込み」と、予め空港のカウンターで受付の方にお渡しする「預け手荷物」に分かれます。
ただし、注意点が一点だけあります。
『リチウムイオンバッテリー』は必ず『機内持ち込み』にすることです。
気をつけなければ、最悪の場合は空港で破棄することになることも。
現在の日本の主な航空会社(JAL,ANA)のリチウムイオン/ポリマー電池の持ち込みに関するガイドラインをまとめると、下表のとおりとなっており、この制限は他の航空会社でも同じような制限が設けられています。
数量制限 (1人当たり) |
機内持ち込み | 預け入れ | |
---|---|---|---|
ワット時定格量(Wh)が100Wh以下のもの | 制限なし | ○ | × |
ワット時定格量(Wh)が100Wh以上 160Wh以下のもの |
2個まで | ○ | × |
※ショートしないように、個別に保護してあることが条件になります。
保護とは、購入時の小売容器に収納する、あるいは端子を絶縁する(テープ等で剥き出しの端子を保護するか、別々のプラスチック袋もしくは保護パウチに個々の電池を収納するなど)ことをいいます。
なお、160Wh以下の内臓バッテリーは預け入れ可能となっていますが、弊社が航空会社に問い合わせたところ、「簡単に脱着可能なバッテリーは内臓とは見なされない」という回答が帰ってきました。
機体に差し込んだバッテリーが内臓バッテリーと見なされるかは、各航空会社の現場判断になるようですので、事前に確認するなど注意が必要です。
ワット時定格量(Wh)の計算の仕方
ワット時定格量(Wh) = 定格定量(mAh)÷ 1000 × 定格電圧(V)
これは、DJI製品で考えると次のとおりとなり、TB48バッテリーは2個までしか持ち込めません。
Phantom 2 バッテリー = 57.72 Wh
Phantom 3 バッテリー = 68 Wh
Phantom 4 バッテリー = 81.3 Wh
Inspire 1 TB47 バッテリー = 99.9 Wh
Inspire 1 TB48 バッテリー = 129.96 Wh
送信機(I1,P3-Pro/Adv) = 44.4 Wh
Osmo バッテリー = 10.8 Wh
さらに、国際民間航空に関する原則を策定する機関である ICAO(国際民間航空機関)は、2016年4月1日以降、「旅客機が貨物としてリチウムイオン電池を輸送することを禁止する」という発表をしました。
「乗員乗客の個人用電子機器のリチウムイオン電池は除く」とありますが、何本もの大容量のドローン用バッテリーが個人用電子機器の範疇に入るかは、各航空会社の判断に委ねられると考えられ、今後さらに制限が厳しくなることも予想されます。
もしお使いのドローンで大丈夫か不安な場合は、国土交通省のホームページをチェックするか、事前に航空会社などに問い合わせるようにしましょう。
まとめ
・ワット時定格量(Wh)が100Wh以上(160Whまで)のLiPoバッテリーは、機内持ち込みが2個まで
・DJI製品だとInspire 1 TB48バッテリー以外は数量制限なしで機内持ち込みが可能(預け入れはNG)
・端子を絶縁テープ等で保護、個別梱包(購入時の容器,プラスチック袋等)が必要
・今後さらに厳しくなる可能性もある